ざる豆腐をリターナブル容器(再使用容器)を使って販売し始めました。ごみがほとんど出ないので環境にやさしいだけでなく、少量さっと取り出せる使い勝手と濃厚な味にもきっと満足していただけます。これまでのお豆腐の常識が変わります。
リターナブル(再使用)容器での『ざる豆腐』
ざる豆腐ってご存じでしょうか。あのグルメ漫画「美味しんぼ」で、最もおいしい豆腐の一つとして紹介されていた、知る人ぞ知るお豆腐です。
造り方はシンプルです。できたてのお豆腐をざるにすくい取るだけ。水にさらさないので、大豆本来の味わいを感じられます。また、自然とざるの下に水が落ちていくにつれ、ふわっと柔らかな豆腐が、しっとりねっとりとした食感に変化していきます。味もフレッシュな甘みから濃厚な旨味へとゆっくり変わっていきます。とてもユニークなお豆腐です。
でも、ざる豆腐ってほとんど見かけませんよね。それは、「ざる」に問題があります。使い捨てのざるは値段が高く、ざる豆腐の価格も高くなります。値段があまり高いと売れないので販売を諦める店が多いのです。
さらに、ざるが捨てられるとゴミの量が増えてしまうことも、環境問題がクローズアップされる現代では、無視できません。
そこで、リターナブル容器(再使用容器)を使うことにしました。豆腐を入れていた容器を返却していただき、洗浄殺菌した後に再度使用する、リサイクルの一種です。容器を何度も繰り返して使うので、ほとんどゴミが出ません。
このリサイクルにディポジットという制度を使います。購入時に、お豆腐の値段にプラス、容器の預かり金(ディポジット)をお払いいただきます。お豆腐を召し上がった後、容器を店にお持ちいただいた時に、預かり金をお返しいたします。ビール瓶やポカリスエットで行われている制度と同じです。
ざる豆腐は、使い勝手の良さも特筆すべき特長です。常に適度に水分が抜けています。このため、そのまま冷奴や温奴として食べてもおいしいです。また、サラダにのせて豆腐サラダにしたり、味噌汁や鍋に入れたりと、お豆腐を必要とするほぼ全ての料理にお手軽に使えます。
料理研究家によれば、豆腐の水切りは、冷奴をはじめ、どの料理でもよりおいしくなると勧めています。この一手間がざる豆腐の容器の中ですでに行われているのです。
使い勝手の良さのもう一つは、容器のふたがスクリュー式で開閉すること。さっと少量すくいとることができるのです。真空パックの豆腐の場合、開封後は残さず使い切ることが推奨されていますが、このざる豆腐は、毎日少しずつ召し上がっていただくことを想定しています。
ざる豆腐のもう一つの特長は、容器の豆腐の上にタレをのせておけること。こうすることで、タレが少しずつお豆腐にしみ込んで、さらにおいしくなります。1日目よりも2日目、3日目の方がより熟成した味となります。例えば、青ざるには塩こうじトッピング、白ざるには醤油こうじトッピングをおすすめします。
さらに外に持ち出すことも手軽にできます。クーラーボックスに入れて、バーベキューやキャンプにと、今までにない場面で活躍する可能性があります。
「豆腐」の常識が変わります。